縄文人による縄文人のためのブログ

占星術やら数秘術より、もはや縄文人の特徴のほうが、よっぽど的中率高いんですけど。ほんと、どうすればいいですかね。
 
 
もう、いっそのこと名前も改名しちゃおうかな。ミドルネーム入れての、「オカノ・縄文人・マサシ」ってことにして、僕の言うことは縄文人の声であるとし、日経新聞または、学研ムーあたりに掲載してはくれませんか。
 
 
もしくは、24時間テレビに出て、縄文人なのにエクセルを操作する姿を披露しては、視聴者の感動の涙を誘おうじゃないですか。
 
 
 
まあでも、こんなこと言ってたら、この社会で頑張る幾多の縄文人に怒られそうだ。縄文人であることを言い訳に使うなと、縄文人でも立派に社会で活躍する人はごまんといるぞと。
 
 
それは確かにその通り、かもしれない・・・・・・
 
 
が、しかし、縄文人たちよ・・・・・・! きみたちは本当にそれでいいのか!!
 
 
 
いまや、この資本経済主義の社会こそが、人類の最も進化した社会の形のような云われかたをしてるけど、本当にみんなそれに納得しているのか?
 
 
この生活に、本当になにも違和感を感じないのか?
 
 
 
僕は、最近もアマゾンマーケットプレイスで騙されたぞ。鏡を買ったら歪んでいて、なんじゃこりゃあと返品申し立てたら「仕様です」と言われたんだ。
 
仕様だから、返品を受け付けてくれないって。じゃあ交換をってったら「交換は出来るけど、商品の検品をしてないので、交換しても似たような商品になる」って、なんだこの蟻地獄はあああああああ・・・・・・!
 
だったら商品概要ページに「海外製品のため歪みのあるおそれが」と書いてくれというか、それでアマゾンに「検品しない海外製品だというのを、商品ページに一言も書かないで販売してオッケーなの?」と問い合わせしてみたら、「それについては社外秘で、お答え出来かねます」が一生続いて、ああああああああ。人間がどこにもいないいいいい。
 
 
 
ともかく、そのやり取りのおかげで、僕はこの一ヶ月ずっと鬱MAX~マジで死にたいデスロード~状態なのである。
 
 
言っておくが、これがいまの世の中なのだ。ポスターの隅っこに、読めないような字で但し書きがあるのだ。縄文人にとっては、まるで「落とし穴ドッキリ」だらけの世の中である。いや、笑い事じゃなくて、そうなのだ。
 
 
 
確かに、その落とし穴だらけの世の中で、強く生きていける者は確かに尊敬に値する。縄文人にも関わらずに、落とし穴を仕掛ける側に回ってるとしたら、出世したね~ってなもんだ。
 
願わくば、僕もそのように生きたい。日々平和に、自分の幸福度を上げて、不幸をしりぞけ、幸せな友達と生きていきたい。
 
 
 
しかし、この世界のどこかで、いまこの瞬間にも落とし穴に落ちてる縄文人がいるかもしれないと思うと・・・・・・アマゾンで僕と同じ鏡を買って、そういうもんだと自分に言い聞かせている人がいると思うと、ああ、いたたまれない。
 
たとえ100人いるうちの99人が幸せでも、落とし穴に落ちて嘆く1人がいるなら、僕は幸せにはなれない。もっといえば、その人を“想うから”幸せになれないじゃない。そんな人が1人いるなら、その人がいると同時に、僕もそうなのである。
 
 
そうじゃなきゃ、おかしいのである。
 
 
 
そして、なによりこれは僕が言ってるんじゃない。僕じゃなく、僕の血がそう言うのだ。僕の濃い縄文人の血が、全身の体毛が、まるで触覚のように、敏感に喜びや哀しみの空気をキャッチし雄叫びをあげているのである。
 
 
 
そんなわけで、結局なにが言いたいかというと、「縄文どうでしょう?」 という一言につきる。
 
日本を取り戻すとか言うまえに、まず日本から縄文を取り戻す。いや、取り戻さなくても良いから、いま一度、違う感覚があることを、社会が見つめ直してもいいんじゃないか。
 
 
いままでは、縄文人のほうが資本経済社会に自らを適合させ生きていたが、もしかしたら正解はそれだけじゃないんじゃないか。95%染まったこの社会の価値観に、いま一度多様性を・・・・・・綺麗事の多様性じゃなく、本当の意味での多様性を、つまり、なにが言いたいかというと、テレビにもっと毛深い人を出せってことだ。
 
 
ジャニーズは脱毛すんなや!!
 
 
そしてそれと別に、縄文については、それを知識だけ詰め込んだ専門家が語るのじゃなく、本当の意味での当事者が語るべきなのだ。
 
 
つまり、知識じゃなく、血に語らせろと。
 
 
もっといえば、どこを見回してもみんな知識で話してるのを見るのは、もう本当にうんざりなんだ。専門家の知識じゃなく、縄文人である僕のすべての声が縄文の声、その血の叫び、そのものなのだ。
 
 
というか、新しい世界のあり方を、知識だけで話し合っても限界があるに決まってるじゃないか。どんな素晴らしい社会システムを考えたからって、システムで心は作れない。心を生み出すのは血だ。
 
 
 
頭じゃなく、血が本当の文化を作るんだ。
 
 
 
・・・・・・というわけで、オカノ・縄文人・マサシとして、血で語るコメンテーターとして活躍したいので、誰かお仕事待ってます(((o(*゚▽゚*)o)))

史上初の縄文人ブログ

縄文人の特徴を見てると、オールクリアどころか、その特徴ハードルを三段飛ばしぐらい飛び抜けてるのが僕なんですけどね。
 
 
 
ほんと、なにが起こったんだ僕のDNAよ。
 
思春期に、もこもこ生え茂る体毛に、思わず二度見ならぬ二万度見したというか、なんでこんなに耳垢は湿るわ、くせ毛だわ、自黒だわ、そして異次元のボーボーになってしまったんだ僕よ。
 
 
 
そもそも温泉で、自分より毛深い人を見たことがないって、一体どういうことなの??
 
 
おかげでグラビアアイドルばりに、僕の裸体は人目を引くというか、小さい子が隠れてチラチラ見て、お父さんになにやら小声で報告してるというか、おいおいおい。これは見せ物じゃないんだぞ坊や。
 
 
 
ともかく、僕はそういうナンバーワンの星に生まれてしまった。
 
誰より足が速いとか、誰よりホームランを打てるとか、学力トップだとか、そういう数あるナンバーワン星のなかの、よりによって毛深い人ナンバーワン星に生まれてしまった。
 
 
しかも努力してそうなったじゃなく、生まれながらのギフトによるものなので、返したくとも、これが死ぬまで王位を返せないのである。
 
他のナンバーワン星に比べても、人からの、いくぶん変わった注目を集める星なので、出来れば若いうちに返上したかったが・・・・・・おかげで、人から奇異な目で見られるのにも随分と慣れた。
 
 
 
おお神よ、なんか生まれる場所とか時代が違った気がするんですけど。
 
明らかに僕だけ、周りの人たちと人種というか、DNAが違う気がするんですけど。。。
 
 
 
そういえば昨日、youtubeで、自分をハスキー犬だと思って生活してる猫の動画を見たけど、もしかして僕もそれなんじゃないか?
 
いまは日本人として社会生活を営んでるけど・・・・・・いや、正直、綱渡りも甚だしいほどに現在進行形で生活破綻してるというか、これ、もしかして「潜在意識を変えたら」とかのレベルじゃないんじゃないか。
 
 
 
潜在意識のブロックを外せばなんちゃらとよく聞くけど、もはやそういう次元じゃないんじゃないか? 
 
  
潜在意識以前の、もっと根深いところで、日本の経済的な社会生活に適応できないなにかが僕にはあるんじゃないか?
 
 
「海の中で、肺呼吸で暮らす」レベルのことを、もしかしたら僕はやってんじゃないか?
 
 
 
そういえば、整体の先生に初めて背骨を見てもらったときに「え! なにこれ!」って驚かれて、あとから、余所で指導室を開いてるお弟子さんが挙って僕の背骨を観察するってな会が開かれたし。
 
 
 
これは、どう考えてもおかしい。
 
僕が刑事コロンボなら「これは、においますなあ」どころか、もはや事件解決のカギが見事に揃ってるレベルじゃないか。
 
 
僕は、ハスキー犬と一緒に散歩する、リードの付いた猫なのか。みにくいアヒルの子なのだろうか。
 
 
 
 
ともかく、僕の縄文系の気質が行きすぎてて、そのために日本の、一般的な経済的社会生活を営める能力がないとしたら、僕は一体どうすりゃいいんだ。
 
 
 
もしかして、楽しそうに農業生活をする友達を見てもなんの羨ましさの欠片もないのは、それが原因なのだろうか。僕のDNAには、稲作文化が刻まれてないのか。
 
実際、しこしこと農に勤しむより、夕飯の買い物で、八百屋からスーパーへと梯子しての、激安おつとめ品漁りのほうが、よっぽど僕を幸せにする気がする。
 
今日も、400円の秋姫プラムが、200円に値引きされてるのを見つけては、ひゃっほー!!と歓喜のエクスタシーを感じてしまったけど、これも縄文系の狩猟本能なのだろうか。
 
 
 
おおお。
 
思えば僕は、いままで自分からお金を稼ごうと思ったことがないじゃないか。する仕事といえば、人から頼まれたか、紹介された仕事しかしてないというか・・・・・・。そもそも、働いたとこで、お金を貰えない仕事を一体どれだけやってきたことか。
 
 
むしろ、報酬はいくらって言われて仕事したのに、結局貰えてませんな仕事もあるし。人にお金を貸して、結局、どんだけ戻ってきてないんだって話しだし。
 
唯一、自発的にお金のために仕事をしたのは、当時付き合っていた女の子にお金が必要だったとか、その子を食べさせたいと思ったからで、やはり僕は、誰かのためにしかお金を稼いだことがないというか、人と自分の境界が非常に曖昧なのかもしれない。
 
 
 
そのぶん、好きな女の子にはトロトロだし、狩ってきた獲物(おつとめ品のプラム)をプレゼントするのが生き甲斐な・・・・・・まったく僕は、なんてお人好しなゴールデンレトリーバー人間なんだろう。
 
 
海の中で肺呼吸してたら生きてけないのに、なのに肺呼吸しか出来ないなんて。
 
 
ああ、この先、僕は生きていけるのか。いや無理じゃないか。そろそろ、お天道様に見放され、そこらでしっぽり野垂れ死にするんじゃないか。

あー天然記念物に指定されてー。

神通力を持つ和尚から瞑想を伝授された童貞の話

その5。。。さよなら童貞、最終回。
 
  
ー前回までのあらすじー
 
「童貞でも馬鹿にされずに生きるには」との答えを探し求めた童貞が辿り着いたのは、まるで漫画みたいな神通力を身につけた、もはや頭皮すら光り輝く、いと偉い和尚さんの住む山寺だった。
 
そこで、やはり和尚さんに将来の心配をされるも、しかし童貞の心には「将来」の二文字はすでになかった・・・・・・そう、あるのはただ「浪漫」だけ。それが童貞。それでこそ童貞。
 
 
ともかく、そんな出家したい童貞の話はこれにておしまい。
 
一体、童貞は和尚の弟子になれたのか?
 
和尚さんから、1万円の次は、一体なにをもらえるのか・・・・・・?!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
というわけで、全盛期の千代の富士というくらいの粘り腰に及ぶ僕に、和尚さんがついに秘策を出したのだった。
 
 
「そこまでいうなら・・・・・・仕方ない。ちょっと、この紙に自分の名前を書いてごらん」
 
 
 
えっ・・・・・・と、それを聞いた途端、きゅっと僕の心臓が梅干しくらいに縮こまった。
 
 
やばい・・・・・・。名前を書くってことは、もしかしたら、もうこれ確定ってことじゃないか? サインを書くってことは、もしかしたら弟子入りおっけーよんって、そういうことなんじゃないか? えっ、えっ、えっ・・・・・・?
 
 
まるで女子に話しかけられたかのように、童貞の心がフリーズした。そして思った。
 
 
「心の準備が・・・・・・」
 
  
これこそが、童貞の心の叫びランキングその堂々の一位に輝く、伝家の宝刀「心の準備が・・・・・・」である。
 
そう、女子に声をかけられるも無視したり、ちょっと横柄な態度をとってしまう童貞は、「心の準備さえ出来ていれば、自分はこんなもんじゃない!」と、常に心の中でこれを叫んでいるのである。
 
 
というのも、童貞は、受け身になると、これがめっぽう弱いのだ。自分の世界では鬼かというくらい芸能人のスキャンダルに強く当たる童貞も、いざ自分の垣根を越えた出来事が起こると、はやく家に帰りたいとガクガク足が震えだしてしまうのである。
 
 
 
というわけで、この出来事を前にして、ふと、童貞の脳裏に走馬燈が走った。
 
 
母や父の記憶、また兄弟や友人たちの顔が、ひとりひとり脳裏をかけめぐった。そして心からなにかが溢れた。
 
ああ、いままでありがとう。もう会えないかもしれない・・・・・・けど、会えてよかった・・・・・・。
 
 
 
が、次の瞬間だった。童貞の脳裏に、ふと、好きだった子の顔が浮かんだ。
 
そして、その顔が、どうにも脳裏から離れなくなった。ほかの顔はあっさり流れていったのに、なのにどうにも好きな子の顔が脳裏から離れない。そして、ついに走馬燈が止まってしまい、はっと、童貞は我に返った。
 
 
 
 
ああ、好きな子とセックスしたい~。
 
 
 
 
童貞は、つまり自らの生命を思い出したのだった。
 
「自分は童貞である」というアイデンティティが音を立てて崩れ、「童貞である以前に、僕は欲求不満なんじゃないか」という、つまり生命としてのシンプルな自分を、生命の道こと種族保存の本能を思い出したのだった。
 
 
ああ、こうしてはいられない、やっぱ出家するのは愛を知り、カルマというか欲求不満を解消してからにしよう・・・・・・
 
 
 
なんて思っていると、和尚さんが変哲のない紙とペンを出してきた。
 
 
「これに名前を書いてみて」
 
 
そう言われるままに、僕は、さっと名前を書いた。一度「やっぱ僕はだめだ」と踏ん切りがつくと、人間、もう怖いものはないのである。だめだと諦めながら進む人間は強くなれる。
 
 
すると、僕の書いた名前をみて「良い字を書くじゃないか」なんて言ったかと思ったら、和尚さんがその紙を手に持って目を閉じ、なにやら独り言をぶつぶつと唱え始めた。
 
 
空気の読めない童貞ですら、このときばかりは空気が変わるのか分かった。ぴりぴりとした何かを感じた。なにやら世界の一部がめくれあがったようだった。
 
 
「そうか・・・・・・」と、目を開けた和尚さんが言った。
 
「きみは・・・・・・」と、僕にどこぞの世界でみた僕のことを話し始めた。
 
 
 
僕はそれを聞きながら、ええーほんとかなーと思った。
 
相変わらず僕の心は汚れており素直に信じられなかったが・・・・・・というか、僕を追い出したかったがための方便だったかもしれないと未だに思っているが、ともかく僕は、俗世でやるべきことがあって、和尚さんは僕のためになんかで応援をしてくれるということらしい。
 
 
そんなわけで、ふー、シャバの空気はうまかーと、僕は山を降りることにした。「好きな子とやることやんなきゃいけないし、なんか他にも仕事があるらしいし、ああ大変だ~!!」と、もはや僕は、童貞を超えた童貞になった気がしていた。
 
 
けど、最後に。
 
最後に、これだけは聞かなきゃいけないと、別れる直前、和尚さんに一番聞きたかったことを尋ねた。
 
 
 
「例の話ですけど、じゃあ生命の根元を思い出すためにはどうしたらいいんでしょうか? そのための修行法というか・・・・・・僕でも自分で出来る方法を教えて欲しいです」
 
 
 
すると和尚さんは「ブッダも一人で悟りを開いたんだ」といって・・・・・・
 
 
僕に、ひとつの瞑想法を教えてくれた。真剣な顔をして、その日一番熱い口調になって、この方法でやりなさいと、力強く、僕に「法」を託してくれた。
 
それは、過去に通った、とある道の信じられないほどの美しさを、その道へ行こうかと悩む者へ必死に伝えようとするのに似ていた。ともかく僕は、その瞑想法を聞いて、これを宝物にしようと思った。
 
 
 
その瞑想法を、この長い文章の締めくくりとし、今日ここで・・・・・・
 
 
 
 
  
おしえません。
 
 
 
ほほほほほ。教えると思ったか。
 
長々と読んでくれたのに申し訳ないけど、グーグルが教えてくれないことが世の中にはあるんだって、そういうことです。
 
 
ワンクリックで分かる情報も大事だけど、童貞が地べたを張って見つけた情報は、モノじゃなく血の通った僕の一部のようなものなのですから。
 
その一部を、そう簡単に言うわけが、ない。
 
その一部を大切にしない人がいるであろう場所に、そう簡単に並べるわけがないのです。
 
 
 
というか、本当はなにがいいたいかっていうと、インスタントに得られるモノを本当に大事に出来る人っていないのです。旅をしたとか、そのために苦労したとか、長年付き合った大事な人に貰ったとか、そういうのがあって、初めて人はそれを宝物に出来る・・・・・・っていう。ね。
 
 
この話だと簡単に和尚さんから聞いたように書いたけど、実はそれは嘘で、本当は、何遍も何遍も寺に通ってようやくそうなったって話ですし。
 
なので、もしその瞑想法を知りたい人は、ワンクリックじゃない、つまり多少の面倒くさいことをして、僕に直接会ったときにでも聞いてください。
 
 
SNSやらの受動的に得られる情報より、なんかしらのアクションをして得られる情報のほうが、よっぽど精神の干からびに雨を落とすってなもんですからね。
 
情報は、お金で買えるものもあるけど、誰かの魂の一部だったりもして、まずそれに触れる覚悟も必要なのです。
 
 
 
とのわけで、偉そうで、ごめんなさいいいいいいい。
 
 
ちなみに僕は、簡単な気持ちじゃ出来ないと、いままで特別な時にしかしてこなかったその瞑想法を、童貞回帰の芽生えとともに、先月から本腰を入れてやるようになりました。
 
なんでも大事なものは最後にとっておくタイプなのですが、10年経ってようやく……。あのころの僕に、僕は帰ってこれた。

神通力を使う和尚さんに弟子にしてと頼みに行った童貞の話4

童貞が行くその4。。。
 
 
ー前回までのあらすじー
 
童貞にも関わらず「もう人生でやることやったし」と嘯く、イッツ・ア・スモールワールドで生まれ育った僕。しかし、そんな僕に、元電通社員という、この世の裏という裏を知り尽くした賢人が「人生は、夢だらけ!」とマトリックスへの扉を開いたのだった!
 
果たして僕は、マトリックスへ参入できるのか? それとも、神通力を持つという和尚の迫力の前に、やはり失禁してしまうのか・・・・・・?
 
ともかく、僕は東京から、和尚の待つ西へと向かうのであった! さあ頑張れ童貞! 負けるな童貞!!
 
 
ーーーーーーーーーー
 
 
とのわけで、その和尚の寺に着いたのは、すでに日の落ちかけた時間帯だった。
 
 
童貞なので、お客さんとして行くならこの時間が適当だろうなんて気遣いはまったく出来ないのである。当然、その日に行くからよろしくねーなんてアポもとるわけがない。もとい、アポなんて童貞には必要がない。
 
 
どういうことかというと、童貞は、己の運命を過信しすぎてしまうのである。
 
 
このときも、頭にあるのは「もし出会って、和尚と目と目が合った瞬間に、『おお、おぬしが来るのを待っていたぞ!』と和尚が僕に運命感じちゃったらどうしよう・・・・・・」という胸きゅんな妄想ばかりだった。
 
 
もし出会って、「いますぐわしの弟子になり、わしの法を継いでくれ! 」っていきなり言われたらどうしよーひゃあー・・・・・・なんて思ってたが、
 
 
 
しかし、いざ和尚に出会って言われたのは、「きみは学校には行かないの?」という、全身に鳥肌が立つほどの現実だった。
 
 
 
そう。当時、僕は21歳である。同級生の友達のほとんどは大学に行って、サークルで飲み会して、河原でBBQしてますという歳である。
 
なのにも関わらず、きみはこんなとこで童貞をこじらせてて大丈夫? と。親御さん心配してない? と、おおお、なんでそんなに正論を言ってくるんだよーーーーー! と、と、と、溶ける!! あああ、生きてて、ご、ご、ご、ごめんなさーーーーーーい!!
 
 
 
と、ゾンビが陽の光に照らされたときのような状態に一瞬なったが、しかし、生まれたときからこれだったのでどうしようもないのですと言ったら和尚も分かってくれた。
 
 
 
というか、なんで和尚がそう言ったのか、すぐ分かったのだが、和尚はどうやら僕を高野山大学に行かせたいらしいのだった。
 
 
「わたしはもう歳で、きみの面倒をみれるほど生きられない。だからここでじゃなく、高野山大学で勉強しておいで」
 
 
とのわけで、なぜか交通費だってことで一万円も貰ってしまった・・・・・・ほほほほ。一万円も貰えるなんて、こりゃ儲けた儲けた、ああ来て良かったー帰ってこのお金でインドカレー食べよーっと!
 
 
じゃなくて、そんなで引き下がれないのが童貞である。その場所に僕が求めるものが存在する気がして、これで帰るわけにはいかないと、童貞の秘技「自発的には帰りません」を発動させ粘り腰の構えである。
 
 
すると、粘る僕に「なぜわたしの所へ来たの? 誰から聞いたの?」と和尚が聞いてきたので、僕は、僕に和尚を紹介してくれた賢人のことを話し始めた。
 
そして話しながら、ふと、思い出した。
 
賢人から聞いた「ミグ」の話である。
 
 
それで、その人から聞いたんですけどと、すこし畏まるようにして和尚に尋ねてみた。
 
 
 
「和尚は本当にあの事件に関わったのか?」と、「もし関わったとして、そのミグのパイロットに一体なにをしたのか?」と、・・・・・・すると、和尚は少し態度を変え、「これから大事なことを言うよ」な雰囲気で僕の目を見て、こう話し出した。
 
 
 
「きみには、きみの両親がいる。そして、その両親にも、それぞれ両親がいる。
 
つまり私たちには誰でも親がいて、その親にも、やはりその親を生んだ親という存在がある。親の親、そのまた親の親、これを遡っていくと・・・・・・延々と、無限に続くそれを、ずっと、ずーっとたどっていくと・・・・・・
 
 
すべては、同じ、ひとつのところに行き着く。
 
 
はじまりのはじまり、宇宙の誕生の瞬間。そこからすべてが生まれた。その、ひとつの元からすべてが全部つながって、途切れることなくつないでこれたから、いまここに、こうして私たちが存在する。
 
 
だから、すべての存在は、知らない存在じゃない。
 
みんな本当はつながっている。
 
 
植物の記憶も、動物や、虫や、石や、砂や、アメーバの記憶も、本当はみんな自分の中にあるんだ。ただ忘れてるだけで、思い出せばいいんだよ。
 
 
みんなひとつだった宇宙の始まりを、ただ思い出せばいいんだよ。もし本当に思い出せたら、誰でも、その話のようなことが出来るようになる」
 

  
そ、そうなんですか・・・・・・なんて有り難い話を・・・・・・
 
 
じゃなくて、僕はその方法を学ぶため、ここ来たのである。
 
 
 
ー次回、衝撃のラストへ・・・・・・! つづくー

 

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空海の生まれ変わりと呼ばれる和尚さんて。

出家したい童貞の話。その3
 
ー前回のあらすじー
 
 
前回、ここ数ヶ月で徐々に膨れ上がった童貞フォースがついに爆発。つまり黙示録に予言されていた天使のラッパ音こと童貞ビッグバンが起こり、ここに、「童貞とは、生き方である」とし、フォレスト・ガンプを名誉会長とした「シン・童貞村」が電撃的に誕生した!!
 
・・・・・・とは無関係に、話は10年前の東京に遡る。出家して魔法修行したいよーと中二病をこじらせていた末期の童貞に、ある賢人が衝撃の実話を物語る。

すごい和尚とは一体、なにものなのか・・・・・・?!
 
 
 
ーーーーーーーー
 
 
「その和尚さんは、空海の生まれ変わりって言われる人でね」
 
 

えええええ!!! 空海の生まれ変わりって、そんな、まじですかーーー!! とは言わずに、僕は、ある言葉を、ごくりと笑顔で飲み込んだ。
 
 
(怪しい・・・・・・)
 
 
というのも、僕がそれまでの旅の時点で「私は、○○の生まれ変わりよ」っていう地雷を一体どれだけ踏んできたかという話である。
 
日本には、こんなに頭のおかしい人がいるのかと、この時点で世界中のどの童貞よりもナンバーワンに詳しかったくらいだ。
 
 
 
ちなみに空海が何者か知らない人のために説明すると、空海とは、平安時代、日本に湧いているほぼ半数の湧き水を、杖を地面にドーン! ってやって噴出させまくった人物である。
 
これを空海伝説といい・・・・・・
 
つまり、歴史上の、加藤鷹に並ぶ超人である。(いよいよ怒られそう)
 
 
 
というわけで、その日本至上、もっとも有名な超人の生まれ変わりだなんて。ほほほ。笑わせてくれるじゃないですか。その自称生まれ変わりさんは、一体なにが出来るんですか。どうせ裏で学研ムーでも読んでるに違いない。
 
 
なんて、どどめ色に汚れた僕の心をよそに、その賢人は真面目な顔で、こう話し始めた。
 
 
 
「昔、アメリカとソ連が冷戦状態だったとき、あるときソ連が『ミグ』って戦闘機を開発してね。その『ミグ』の性能が物凄くて、当時、均衡を保っていたアメリカとソ連のパワーバランスが崩れるって事態が起こったの。
 
 
で、このままだと、本当に第三次世界大戦が起こってしまうんじゃとなった。その『ミグ』のせいで、それぐらいの緊張状態が世界に、そして日本に起こったんだ。
 
 
とくに日本は、アメリカの同盟国で、しかもアメリカとソ連に挟まれた形であるから、もし戦争となったら、火傷どころの騒ぎじゃ済まないかもしれない。アメリカからのプレッシャーも当時の政府に来てて、日本政府は、一体どうしたもんかと非常に混乱した状況だった。
 
 
そんなとき政府の一人が、ふと、ある人のことを思いだした。
 
それが、その和尚だったんだ。
 
 
その政府の人は、それから急いでその和尚のいる寺に向かってね。そして、着くなり、助けて下さいと、和尚にことのあらましを話したわけ。
 
 
すると和尚は、少しなにかを考えるようにして、こう言ったんだって。
 
 
 
『一週間、時間をください』
 
 
 
寺をあとにした政府の人は、一週間でなにが出来るんだろう、本当に大丈夫なんだろうかと、いまだ気持ちの晴れないまま東京に帰っていった。東京に帰っても、祈りなんか無意味だと馬鹿にされ、けど他にすがるものもなかったから、一週間、その人も祈るようにして、ただひたすらに奇跡を待ち続けた。
 
 
すると、一週間後、彼に電話が入った。
 
それは和尚じゃなく、北海道の自衛隊からの電話だった。

  
 
ソ連から兵士が亡命にきました。その兵士はミグに乗っています!』
 
 
 
つまり、ミグのほうから日本にやって来た。
 
アメリカと日本政府が、喉から手がでるほど欲しかったミグが、なんと向こうからやって来てしまった。
 
 
それを聞いた政府の人は、まるで腰を抜かしたように驚きを隠しきれず、『その兵士はなんと言ってるんだ? なんのために亡命しにきたと言ってるんだ?』と、口早に電話口に尋ねた。
 
 
すると、その質問に、亡命したソ連の兵士はこう答えたんだって。
 
 
 
『私も、いまなんでここにいるのか分からない。気づいたらここにいたんだ』
 
 
・・・・・・という話。」
  
  
 
え?
 
なんか、ミグが日本に亡命しにきて、世界的な大ニュースになったって話は聞いたことあるけど、えっ、えっ? なにそれ? 本当なら、すごくないですか?
 
いや、これは本当にやばい情報を・・・・・・ってあれ。そういえば当時「ここだけの話だけど」って言われてから、この話を聞いたような。いや、言われてないよね。もう書いちゃったし。過去にも書いたことあると思うし、大丈夫だよね。僕、怒られないよね。うん。
 
 
というわけで、もはや疑うどころの騒ぎじゃない。いままで聞いたことない規模の話に、ともかくこの話が事実なのか確かめたいのと、その和尚さんにとりあえず会いたいというのとで、話の終わる前から、僕の興奮はすでに宇宙へスプラッシュしていた。
 
 
一体、なにものなんだろう? 本当にそんな人が実在するのか? とりあえず会えば、実際に会えば、なにかが分かるはずだ。もし僕に縁があれば、きっとそれも・・・・・・
 
 
そして息を弾ませて、賢人にこう聞いた。 
  
 
「そそそ、その和尚様のおられるご住所を、この童貞めに教えてくださいいいいいいい!!!!!!」
 
 
次の日、僕は西へ向かった。
 
 
ーつづくー

24時間テレビ「童貞は地球を救う」

ー前回のあらすじー
 
 
21歳の童貞が、童貞から僧侶へのジョブチェンジを模索。しかし、冒険の末にたどり着いた寺院は、すでに闇の支配下となっていた。そこで闇の魔法、まばゆく光り輝くベンツに目がくらんだ童貞は、混乱、脱糞のステータス異常を受け、そのまま死亡。と同時に、童貞の宝である「純粋なハート」を失った。
 
しかし、復活の後、東京砂漠をさまよう童貞の前に、突如として怪しい賢人が現れる。そしてその賢人は、童貞にこう言ったのであった。
 
 
「すごい和尚さんを知ってるよ」
 
 
ーーーーーー
 
 
というわけで、純粋なハートを失った童貞こと僕は、そう言われてさっそく穿った質問をした。
 
 
「その人は、裏でウインナー食べないですか?」
 
「ウインナー? ・・・・・・でも、僕が行ったときに出た弁当には、お肉は入ってなかったな」
 
 
童貞の性質に、思いこみが激しい、一度そうだと思ったことをこの世の全てに適用するという悪いものがあるが、それが出てしまった形である。
 
また、童貞は全体的な印象を、一部に集約して心に焼き付けるという節がある。どういうことかというと、たとえば両親のセックスを見てしまったときにタバコの臭いがしたら、ああタバコは不潔なものだと一生タバコを憎むのである。
 
 
そういうわけで、童貞の僕には、ウインナーがダイナマイトに見えていた・・・・・・って、どんだけ童貞の解説に文字数を費やすんだ僕は。
 
 
 
というか、もしかしたら感づいている方もいるかもしれないが、実はこれを書いてるいまの僕は、童貞崇拝・・・・・・いや、童貞回帰論者なのである。
 
 
そしていま突として、「書きたい、童貞について書きたい!」と情熱が溢れ出たというか、なので申し訳ありませんが、これからの文章を急遽「世界の中心で童貞を叫ぶ」として捧げたいので、和尚さんなんちゃらの話は次回にします。はい。
 
 
 
というわけで、ああ、童貞はすばらしい。童貞の世界は、言ってみるなら、いま話題の「新海誠の世界」である。戻れるなら、いま一度、あの白内障かのようにキラキラ輝く、自己内省の多い世界に戻りたい。いま一度、自分本位の善に包まれ、そして寂しさと豊かに触れあえる僕に戻りたい。
 
 
けど、ダメなのだ。一度、童貞村を出た者は、その楽園から亡命した者と見られ、二度とその楽園の地を踏むことは許されない。そして、楽園の外を彷徨い、もはや一人では満たされなくなった魂の欠乏感を満たすため(慰めるため)、自らが安らげる温かいオアシスを追い求めるのである。
 
 
 
そして、オアシスを追い求めたとて、その道のりが困難であることは言うまでもない。運良く、最初の一歩目が運命のオアシスだったという輩もいるが、それは嘘か、もしくは新海誠の世界である。なめとんのか。(羨ましい)
 
 
だって普通は、最初の一歩は、オアシスどころか沼だ。
 
沼にハマって、ハマって、ハマって、底なし沼でドロドロである。
 
 
で、ドロドロになったところで、今度は逆に、透き通った泉を汚しはじめることをして・・・・・・つまり、いまや童貞村の外の環境は、そういうドロドロな、美容師や、バンドマンやら、ユーチューバーのせいで日に日に汚染されているのである。
 
 
 
ああ、まったく嘆かわしい・・・・・・というか、まあそれも自然界のありようなのだ。弱肉強食もとい、これで汚れる人もいれば、汚れない人もいる。
  
  
いくら沼に溺れようと、沼に染まらなければ、その人はその人だ。
 
また、たくさんの沼に染められたら染められたで、その色彩は神秘的な美しいものになるかもしれない。
 
 
 
けど、汚れるものは汚れる。汚れの原因は、沼にあるのではなく、自分自身への嘘にある。嘘に身を包んで沼に入ると、人は自ら傷つき、その傷より泥が入るなり膿んでいく。嘘とは、自分が自分に負けていくことだ。
 
 
 
そんなわけで、童貞村から飛び出した者は、困難伴う旅路を行くのである。
 
素直に一生安らげるオアシスを見つけるか、それとも何かに取り憑かれたように沼という沼を渡り歩くのか、はたまた自らも傷つけながら透き通った泉を汚し歩くのか。
 
 
けど、これでいいのか? 旅するものの話だけでいいのか?
 
このままだと、やはり環境が悪化の一歩をたどるのではないか?
 
沼は、もはや泉のようなその透明さを取り戻すことは出来ないのか?
 
 
 
いや、僕は知っているぞ!!
 
童貞が、最初の一歩として入った沼が、美しく透明に戻っていくことを!! 分かりやすく言うと、人生に疲れ果てた女子が、童貞と付き合うことでその傷を癒していくのを、僕はたくさん見てきたのだ!
 
 
つまり童貞の純粋さが、まるでEM菌のように、沼と化した水質を美しく浄化させていくのである!!!
 
 
 
そう、童貞はすばらしいのだ。
 
 
偉人でいえば、吉田松陰や、宮沢賢治は童貞である。
 
漫画の主人公で言えば、ルフィも、桜木花道も、孫悟空は違うけど、でも童貞みたいなもんである。
 
 
いまの時代に問題があるとするなら、それは童貞を大事にしないことにある。昔の時代は、男が童貞を卒業するときに、年上の女性に筆おろしをしてもらうという文化があった。
 
けどそれは、童貞が男になるという反面、女性が童貞に癒されるという面もあったのだ。
 
 
 
しかしいまの時代は、童貞を童貞村に閉じこめるという時代になってしまった。もっといえば、童貞が食い物にされる時代になってしまった。
 
いかん。童貞は尊いものなのだ。AVを見過ぎちゃいかん。アイドルにハマりすぎてはいかん。エネルギーを吸われるな。一人の世界に閉じこもってちゃ勿体ない。
 
 
童貞には、世界を美しくする力があるのだ。殺伐とした現実を、新海誠のように、光瞬く透き通った美しい世界にすることが出来るのだ!
 
 
 
しかし、いまの世の中の有り様を見るや、ただの童貞だけではもはや手遅れかもしれない。
 
童貞のエネルギーが、日に日に秋元康に吸われていく。いまや世の中は、エネルギーを無くした童貞ばかりというか、いまの世界にこそ、フォレスト・ガンプのようなウルトラ童貞が必要なのだ。
 
 
 
そんなわけで、僕は考えた。
 
この世界のために出来ることはと、一生懸命に考え、そしてこう思い至った。
 
 
 
僕はいま、新しい形の童貞になりたい。
 
言ってみれば、普通の童貞が、ただの童貞村の住人ならば、僕は童貞村を飛び出した旅路の果てに、自分の手による「シン・童貞村」を作ろうというのである。
 
つまり、普通が受動的童貞だとしたら、僕は能動的童貞になろうというのだ!
 
 
 
どんな女性の心にもお姫様が眠っているとしたら、どんな男の心にも童貞が眠っている。そして、なにより僕は、普通男子より、ひと一倍童貞ポテンシャルが高い。さあ、その長く眠りについた童貞の心を、いま一度、呼び起こすのだ。
 
いま一度、おれの童貞よ蘇れと、我が心の奥に住む童貞こと、ケンシロウを復活させるのである。ビンビンのラオウから、ユリアを守れ、ケンシロウ
  
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出家したかった童貞の物語

10年前。
 
つまり僕が21歳、精神世界にまみれて9年、ベジタリアン歴4年、占い師歴3年、初めての恋から9年、しかし童貞歴21年、しかもオナ禁歴3年、のころ。
 
 
このころ、僕は本気で出家したいと思っていた。
 
 
 
って、最初の自己紹介が絶望臭を醸し出しすぎてて「まあ、そうなる気も分かるよ笑」って読む人に思われてる気がするけど、いやいや、べつにそのせいではありません。たぶん。
 
 
なんだろうか、ひとえに純粋だったのでしょうか。出家して、偉い人の弟子になって、修行して、かめはめ波が打てるようにでもなりたかったのでしょうか。童貞だし。
 
 
 
ともかく、そんなんで僕は偉そうなお坊さんを捜して、日本をぶらぶら旅していた。
  
一時期、縁あった和歌山の寺に身を寄せたが、そこは有名すぎて、観光地過ぎて、理想と現実のギャップに居たたまれなくなってレリゴーしてしまった。
 
馬鹿な童貞にとって、理想が打ち砕かれたのはつらかった。寺に入って、よーし今日から寺で修行をがんば・・・・・・と思った矢先に、その寺のお坊さんたちが朝食のウインナーにケチャップを大量にかけて食べてるのを見て、あれ? と目の前がアメリカンになった。
 
 
こんなはずじゃ・・・・・・と僕は数ヶ月の後にその寺を出て、途方にくれた。
 
寺っていっても、みんな裏でプリプリのウインナー食べてるんじゃないの? と、それまで純粋に輝いてた目が、お坊さんのしてる腕時計や、乗ってる車を、穿った目で見るようになった。
 
 
しかし、そんなあるとき、東京で不思議な人に出会った。
 
その人は、ワークショップも開催するライターさんで、これが希にみる聖人のようなだった。その人は、僕の童貞特有の小さなボソボソ声で言った「修行したい・・・・・・」を見事に聞き取ったかと思うと、それまでの声よりトーンを落とし、こう言った。
 
 
「すごい和尚さん知ってるよ」
 
 
 
え? お坊さんじゃなく、和尚さん・・・・・・??

ウインナー食べない? もう、和尚って、その響きだけでもすごそう・・・・・・。
 
 
僕はどきどき期待を膨らまして、その人の話に聞き入った。
 


 
ーつづくー