ヴィパッサナー瞑想に行ったら大変なことが起きた話

11月6日に32歳になりました。
 
 
32歳・・・・・・
 
それは30歳のときに感じた危機感を、徐々に忘れゆく歳・・・・・・というか、この2年で危機感どころか何事も気にしなくなる図太さが育まれ、いよいよ人前でリアルなオナラをしてしまうんじゃないかとソワソワな年頃、それが32歳です。
 
 
 
とまあ、そんなことはさておき、誕生日前に久しぶりにヴィパッサナーに行き、そこで「とんでもない事実(?)」を知る羽目になってしまいました。
 
 
 
って、ヴィパッサナー言っても、もしかしたら知らない人もいるのかしら。
 
一応説明しますと、10日間喋らずに瞑想ばっかする合宿みたいなものなのですが、僕は過去に2回行ってての今回で3回目の参加でした。
 
 
 
そう、3回目。
 
前後合わせて12日間の時間がないと行けないし、そもそも行くために予定を空けるほど僕もそこまでやる気のある人じゃないし・・・・・・
 
だったのに、偶然、予定が12日ほど空くということが起こり、ふと思いついて調べると、きっかり空いてる12日間にヴィパッサナーのコースが開催されるとあり、じゃあキャンセル待ちに応募だけして、もし連絡が来たら・・・・・・としてたら普通に連絡が来て、ああ参加しろってことかなと参加してきました。
 
 
もはや、参加したくてというより、義務みたいなもんですな。
 
 
参加したところで、どうせ体験し尽くしたことを再体験するだけだろうし、いっても風呂のカビ取りみたいな、自分を切り刻む定期の仕事をしにいくという感じで、別段、なんの面白いことも期待せずに行ったのですが・・・・・・
  
  
 
だったのに、それが今回は、ちょっと自分の想像を超える出来事が起こってしまった。
  
 
 
というか、事件は瞑想中じゃなく、瞑想の終わりに起こったのでした。
 
 
 
 
ことの発端は、施設の掃除を終え、さて帰るぞーとセンターの送迎車でバス停まで送ってもらってからのこと。
 
バスが来るまでまだ30分もあるのかーと、ここぞとばかりにそれまで隔離されてた麗しい女子に絡んでたら、ふと同じバスに乗りたい方達がピストンされた送迎車に乗って現れました。
 
 
そこで、あらどうもー。また会いましたねーと、軽い感じで挨拶・・・・・・のはずが、その新たに来たうちの1人が、僕を見るなり突然こう叫びました。
 
 
「オトナリサーン!!!」
 
 
おおおおお。
 
そういうあなたは、僕の左隣で瞑想していた一見外国の人じゃないですか。一言も喋らなかったから知らなかったけど、実はそんなに日本語がお上手だったとは・・・・・・
 
 
 
するとその一見外国人の彼が、周りの方々に僕を指して

「彼の隣だったけど、ほんと彼は岩みたいに動かなかったよ〜! ほんと、彼はすごいね!!」
 
 
 
なんて言い出したので、僕は内心、えっへん!と得意げになりました。。。
 
じゃなくて、今回は6列ぐらいあるうちの先頭の、しかも真ん中で瞑想をする羽目になったので、ちょっと後ろの人たちの見本になれるよう頑張ったというか。もとい、正直言うと、恥ずかしながら僕を支えていたのは見栄だったのでした。ううう、格好つけてしまった。。。(というか、もとがダメ人間なので、人一倍がんばらないと得るものがないのですよこれが)
 
 
 
としたところにバスが来て、さて乗り込みますかーとなったところで、一見外国人の彼が、急に小声で僕にこう話し始めた。
 
 
「実はワタシ、瞑想でとても深いところに行くと“ゼンセイ”が見えることがある」
 
「え? 全生?」
 
「“ゼンセイ”ね。その人が生まれる前の・・・・・・」
 
「あ、分かった分かった!“前世”か! 」
 
「その前世なんだけど、たまに自分だけじゃなく、周りにいる人のも見えることがある。それで、人のを見たいとはいつもは思わないんだけど、あなたのはつい見えてしまった」
 
「えええ?」
 
「それで、もし機会があれば、あなたが前世を聞きたいかどうか話そうと思った。でも、あなた先に帰ったと思った。だから、ああこのことは言わないほうがいいんだと思ってたら、またここで出会えた。だからこれは言ったほうがいいと思った」
 
「ちょ、ほんとに? 」
 
「だけど、もしあなたが聞きたくないなら言わないけど」
 
「いやいやいや、そこまで言われたら聞きたいに決まってるじゃないですか!! と、とりあえずバスに乗りましょう! バスで話の続きを!」
 
 
 
 
というわけで、僕らはバスに乗り込んだ。
 
そして乗り込みながら、しかし前世とは・・・・・・、と考えた。1年前の自分を振り返っても恥の固まりなのに、これが前世なんていったら。えええ、聞きたいとは言ったものの、本当に聞いていいのか。聞いたところで、鬱が爆発するんじゃないのこれ?
 
 
というか、そもそも、彼は本当に見えたのか。僕はこれまで幾度となく、いろんな人から「あなたの前世は〜」って言われたけど全部嘘だったぞ。
 
 
もとい、誰ぞが「私の前世は〜」と語ってるのを見ては、ああまた騙されたとも知らないメルヘンワンダーランドの住人がひとり・・・・・・なんて思っているぞ。
 
 
 
まあ、ともかく、前世なんてのは信じないに限るのですよ。いや、信じるに値するものだとしても、それは誇らしいものじゃなく、1年前の自分を見るような恥として見るべきなんです。だって僕らは、常に変化成長し続ける存在なんですから・・・・・・
 
なんて、前世退行催眠とかを散々やってきた僕が言うのもだけど。ほんと、すいません。
 
 
 
 
そんなわけで、一見外国人の彼が僕の前に座り、そこから後ろを振り返るような姿勢でこう話し始めた。
 
 
「ワタシはいつもは、本当に人のを見ようとは思っていないね。けど、あなたとワタシは前世で同じ場所にいて、それで感覚が共鳴して見えてしまった」
 
「へ〜」
 
「他の人のも見たことはあるけど、大抵の人の前世は泥棒だったりとか、戦争で死んだとかばっかりだけど、あなたのは違った。あなたは特別な場所にいた」
 
「その場所って・・・・・・?」
 
イスラエル
 
「おお、イスラエルとは、いいとこじゃないですか!」
 
「そこの・・・・・・たくさんの人がいる場所ね。そこでワタシに見えたのはWhip・・・・・・」
 
「うぃぷ?」
 
「武器みたいなものね。長い革で出来たヒモを振って使う・・・・・・」
 
「ああ、ムチね!」
 
「そう、そのムチとか、そのムチの先に金属のトゲのついた板がついていて、そのムチで叩くと人の肉が削がれる」
 
「えええ、それって拷問じゃないですか! まさか僕、拷問うけてたんですか・・・・・・? それ、パッションって映画で見ましたよ・・・・・・」
 
「そう! それ!」
 
「え? なにが?」
 
「そのパッションの舞台にあなたはいた」
 
(パッションとは、イエスキリスト最後の数時間を映画にしたもの)
 
 
 
「は・・・・・・? え・・・・・・?
 


 えええええ!?
 
  
 
 も、もしかして僕、ジーザス?!」
 
 
 
 
 
 
「違う」
 
 
「なっ! 」
 
 
「ジーザス違うね」
 
 
「なっ! って、ああびっくりした。いや、違うに決まってるけど、ちょっとドキッとしたじゃないですか!」
 
 
「ジーザスじゃなく、ジーザスを叩いてるのがあなた」
 
 
「なっ!!」
 
 
「あなたはローマの兵士で、命令されてジーザスをムチで打ってる」
 
 
「えええ! ってことは、パッションに出てるあの悪い奴は、僕?!」
 
 
「命令だから仕方なかった。あなたは仕事を忠実にしただけ。けど、そのせいで、あなたの中には物凄いサンカーラがある。あなたはそのサンカーラをどうにかしないといけない」(サンカーラとは、感情の固まったもの。その固まりが魂やら身体に蓄積し、その人の性格や感受性、また病を作る)
 
 
 
 
おおおおおお。
 
なんということだ・・・・・・。というか、仮にこれがデタラメな話だったとしても、その想像し得るローマ兵たる特性と、いまの僕の性格にはあまりに共通点があるじゃないか。
 
 
実は僕は、生きてること、またすべての自分の行為を仕事だというように思っているのだけど、まさにそれって・・・・・・。もとい、僕は自己犠牲の固まりのような人間だし、実際、我をなくして、これまでどれだけ身を尽くして仕事をしてきたことか。
 
なにより、いままで人に頼まれて選挙活動の仕事を散々してきたけど、それこそまさに兵士としての仕事じゃないか。やりたくないのに降って沸く、僕のカルマそのものじゃないか。
 
 
また、僕のこの猛烈な天の邪鬼もとい、体制側や“普通の幸せ”への革命的な感情も、命令に忠実なあまりに神の子を殺してしまった後悔からくるんじゃないか・・・・・・?
 
 
 
って、イエスを直接殺したのって、もしかして僕なんじゃないか???
 
 
 
 
というか、人に前世というのがあって、それがいまの自分を作ってるとしたら、こりゃいまの僕は一体どうやって太刀打ちしたらいいんだ。
 
自分というのを2000年前からの存在として、もしくはそれ以前の、地球や宇宙が生まれる前からの存在としての幅を持たせたときに、果たしていまこの僕に一体なにが出来る?
 
DNAといい、前世といい、僕に残された自由はどこにある?
 
 
 
 
あああ。そういえば昔、前世を見ようと自分で深い催眠に入ったときもローマ人のような格好をしてたなあ。
 
それで神殿のような場所で、誰かに左わき腹を刺されて死んでたっけ。一体なんの恨みを買ったのか謎だったけど、まさか神の子殺しだったとは。
 
そりゃ刺されても文句いえませんというか、パッションを初めて見たときに「あの映画は、なぜか一度見たことあるような既視感があるよね」なんて言ってたけど、そりゃそうだよ出演者だよ。
 
 
 
ああ、重い。32歳の最初から重すぎる。。。
 
ちなみに、ヴィパッサナーでは、最後の慈しみの瞑想のときに「もっと人を愛せるようになりたい」と思って泣けました。