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コールドプレイを見てきました

先日なんですが、生まれて初めて東京ドームへ行きましてね。
 
そこで、なんといいましょうか、いま世界で最も売れてるというか、成功してるらしい「コールドプレイ」っちゅうバンドのライブを見たんですよ。
 
 
 
って、あああ! すいません!!
 
 
コールドプレイのライブに行くだなんて・・・・・・
 
そんなの、三度聞いても覚えられないアーティスト名の曲をシェアする“センスの塊”のような人からしてみれば外道中の外道・・・・・・!
 
そんな人からしたら、コールドプレイのライブに行く=万引きを告白するのにも等しい、恥ずべき行為・・・・・・!! 
  
 
にも関わらず、そんな万引きにワクワクしてドームの前で思わず写真すら撮ってしまった僕を・・・・・・ああ、どうか許してセンスの神様・・・・・・。
 
 
 
と言ったところで、実をいうとコールドプレイは中学のころから好きなんです。つまり僕にとっての一生忘れられない初恋みたいなもんで、今回のライブは、その20年越しの初恋がついに叶う、僕にとって非常に特別なものなのでした。
 
 
「ああ、ドームの一階席って遠いのかなあ。せっかくのライブで、なにも見えなかったらどうしよう、ああどうしよう・・・・・・」
 
 
ライブの一週間前から、まるで初デートに行く処女のような気分です。不安になりすぎて、amazonで双眼鏡を、それもお急ぎ便で注文しちゃうほどのおてんばっぷり。
 
 
 
そんなわけで、いざライブ当日の4月19日。
 
双眼鏡をぶら下げ、生まれて初めての東京ドームへ、三塁側の24番ゲートから入場し、42番通路から一階席の32列目372番の席に着したのでした。(この数字群を、いまも調べずに書けるほど完璧に覚えているという)
 
 
 
やった〜通路沿いの席だ〜! と喜んで席に着くと、その隣の席ではすでにビール片手に宴会が始まってました。
 
それもインド人でしょうか。もしかしたら、やたらハイテンションなインド人が、隣に5、6人はいるのでしょうか。
 
 
ふと一抹の不安を覚えましたが、「まあでも、ライブの時にこういうテンションの人が隣にいると盛り上がるしね!」と、良い方へ良い方へと思い込むことにしました。
 
 
 
お酒を飲んでるからか、彼らは何度もトイレに立ち、そのたび僕は身体をよじり笑顔で彼らに道を空けます。
 
僕が道を空けるたび「アリガトゴジャイマース!!」とボリューム調整の狂った大声でお礼してくれるし、うんうん。とりあえず、これも可愛いって思い込むことにしよう。
 
 
まあライブが始まれば、彼らもきっとトイレには行かなくなるでしょう。
 
そのときには、もう道を空ける必要もないし、僕もライブにきっと集中出来る。彼らと一緒にライブを全身全霊でエンジョイして、最後はハグなんかしちゃって、恥も忘れてラブ&ピースなんて言っちゃったりして・・・・・・
 
 
 
の、はずが、ライブの始まる直前、トイレへ行った隣人がそれまでの笑顔はどこへやら、虚無を見つめる目をして帰ってきました。
 
 
そして、いざライブが始まり、照明が暗転し、観客が総立ちとなり、クリス・マーティンが走ってステージに現れ、どっかーん!と、ドームのボルテージが一気にマックスになっても、隣のインド人は1人座ったまま無言で虚無を見つめていました。
 
 
 
えええ!? ちょっ、さっきまでのテンションは? アリガトゴジャイマースはどこへいったんだよ?! この数分で、あんたの身に一体なにが・・・・・・。
 
 
 
このインド人のあまりの変貌ぶりに、もはや僕もクリス・マーティンどころじゃありませんって、うそだろおい。なんでこんなに楽しみにしてたライブで、隣のインド人の心配をしなきゃならんのだ。
 
 
いや、いかんいかん! ライブに集中だ! 全身全霊でコールドプレイのライブを・・・・・・
 
 
としてたら、インド人グループの1人が虚無の彼になにやら怒るよう話しかけたかと思うと、虚無の彼が突然爆発。それこそボリュームの狂った声量の、よく分からん言語で大喧嘩をはじめて、すると今度は彼の隣にいた彼女らしきインド人が無言で虚無を見つめだし・・・・・・って、わあああああああああああ!! たたた、タスケテーーーー!!!
 
 
コールドプレイを見に来たはずなのに、同時上映のインド映画のほうが臨場感が凄くて、いや〜ほんとインド映画最高〜じゃなくて。
 
え、もしかしてこれは夢? インド人がこんな出てくるなんて、夢じゃなかったら神様がバランス調整をミスしたとしか思えないてか、あああ、一体なんでこんなことに・・・・・・。
 
 
 
はっ! そそそ、そうだ!! こんなこともあろうかと、わざわざ双眼鏡を買ったんじゃないか!
 
ライブを空間で感じようとしてるから、隣のスパイス臭が気になるんだ! 空間じゃなく、双眼鏡でスポットだけを感じよう! ライブじゃなく、クリス・マーティンだけを追えば、自然と集中してこの濃厚なマサラ臭も感じず、きっと最後まで楽しめる!!
 
 
 
というわけで、よーしと双眼鏡を取り出し、自慢の16倍ズームをさっそくクリス・マーティンにセットしました。
 
 
 
おお〜。クリスがおる〜。てか、めっちゃ走るなあ。てか、めっちゃピョンピョン跳ねるし、よく見たらめっちゃムチムチしてない?
 
 
 
おや・・・・・・?
 
 
 
あの体型・・・・・・。あの身体は・・・・・・。
 
僕の長年の占い経験と、整体で磨かれた観察眼で見たところ、沖縄でドラァグ・クイーンしているゲイな友達の身体と、いまステージを所狭しと走り回っているクリス・マーティンの身体がなぜか完全に一致。って、え?
 
 
醸すフォースも完全に一致。って、お?
 
 
 
おおお?? 
 
 
 
・・・・・・というわけで、それ以降、隣のインド人は最後までファックユーって叫んでるし(しかも、一番盛り上がるときに限って通路に出たがる)、クリス・マーティンを見るたび音楽とは違う神妙な部分を感じてしまって、あああ、僕はもうダメかもしれません。
 
 
心が汚れているのか、もはや見えるのは着ぐるみの中の世界ばかり。
 
もうファンタジーには戻れないのか。もうすべてを冗談だと思って、笑い飛ばして生きてくしかないのか。
 
 
・・・・・・でも、コールドプレイに会えたのは嬉しかったし、彼らのことも彼らの音楽も僕は一生愛するでしょう。
 
こればかりは、ファンタジーではない。