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空海の生まれ変わりと呼ばれる和尚さんて。

昔話 童貞 つれづれ

出家したい童貞の話。その3
 
ー前回のあらすじー
 
 
前回、ここ数ヶ月で徐々に膨れ上がった童貞フォースがついに爆発。つまり黙示録に予言されていた天使のラッパ音こと童貞ビッグバンが起こり、ここに、「童貞とは、生き方である」とし、フォレスト・ガンプを名誉会長とした「シン・童貞村」が電撃的に誕生した!!
 
・・・・・・とは無関係に、話は10年前の東京に遡る。出家して魔法修行したいよーと中二病をこじらせていた末期の童貞に、ある賢人が衝撃の実話を物語る。

すごい和尚とは一体、なにものなのか・・・・・・?!
 
 
 
ーーーーーーーー
 
 
「その和尚さんは、空海の生まれ変わりって言われる人でね」
 
 

えええええ!!! 空海の生まれ変わりって、そんな、まじですかーーー!! とは言わずに、僕は、ある言葉を、ごくりと笑顔で飲み込んだ。
 
 
(怪しい・・・・・・)
 
 
というのも、僕がそれまでの旅の時点で「私は、○○の生まれ変わりよ」っていう地雷を一体どれだけ踏んできたかという話である。
 
日本には、こんなに頭のおかしい人がいるのかと、この時点で世界中のどの童貞よりもナンバーワンに詳しかったくらいだ。
 
 
 
ちなみに空海が何者か知らない人のために説明すると、空海とは、平安時代、日本に湧いているほぼ半数の湧き水を、杖を地面にドーン! ってやって噴出させまくった人物である。
 
これを空海伝説といい・・・・・・
 
つまり、歴史上の、加藤鷹に並ぶ超人である。(いよいよ怒られそう)
 
 
 
というわけで、その日本至上、もっとも有名な超人の生まれ変わりだなんて。ほほほ。笑わせてくれるじゃないですか。その自称生まれ変わりさんは、一体なにが出来るんですか。どうせ裏で学研ムーでも読んでるに違いない。
 
 
なんて、どどめ色に汚れた僕の心をよそに、その賢人は真面目な顔で、こう話し始めた。
 
 
 
「昔、アメリカとソ連が冷戦状態だったとき、あるときソ連が『ミグ』って戦闘機を開発してね。その『ミグ』の性能が物凄くて、当時、均衡を保っていたアメリカとソ連のパワーバランスが崩れるって事態が起こったの。
 
 
で、このままだと、本当に第三次世界大戦が起こってしまうんじゃとなった。その『ミグ』のせいで、それぐらいの緊張状態が世界に、そして日本に起こったんだ。
 
 
とくに日本は、アメリカの同盟国で、しかもアメリカとソ連に挟まれた形であるから、もし戦争となったら、火傷どころの騒ぎじゃ済まないかもしれない。アメリカからのプレッシャーも当時の政府に来てて、日本政府は、一体どうしたもんかと非常に混乱した状況だった。
 
 
そんなとき政府の一人が、ふと、ある人のことを思いだした。
 
それが、その和尚だったんだ。
 
 
その政府の人は、それから急いでその和尚のいる寺に向かってね。そして、着くなり、助けて下さいと、和尚にことのあらましを話したわけ。
 
 
すると和尚は、少しなにかを考えるようにして、こう言ったんだって。
 
 
 
『一週間、時間をください』
 
 
 
寺をあとにした政府の人は、一週間でなにが出来るんだろう、本当に大丈夫なんだろうかと、いまだ気持ちの晴れないまま東京に帰っていった。東京に帰っても、祈りなんか無意味だと馬鹿にされ、けど他にすがるものもなかったから、一週間、その人も祈るようにして、ただひたすらに奇跡を待ち続けた。
 
 
すると、一週間後、彼に電話が入った。
 
それは和尚じゃなく、北海道の自衛隊からの電話だった。

  
 
ソ連から兵士が亡命にきました。その兵士はミグに乗っています!』
 
 
 
つまり、ミグのほうから日本にやって来た。
 
アメリカと日本政府が、喉から手がでるほど欲しかったミグが、なんと向こうからやって来てしまった。
 
 
それを聞いた政府の人は、まるで腰を抜かしたように驚きを隠しきれず、『その兵士はなんと言ってるんだ? なんのために亡命しにきたと言ってるんだ?』と、口早に電話口に尋ねた。
 
 
すると、その質問に、亡命したソ連の兵士はこう答えたんだって。
 
 
 
『私も、いまなんでここにいるのか分からない。気づいたらここにいたんだ』
 
 
・・・・・・という話。」
  
  
 
え?
 
なんか、ミグが日本に亡命しにきて、世界的な大ニュースになったって話は聞いたことあるけど、えっ、えっ? なにそれ? 本当なら、すごくないですか?
 
いや、これは本当にやばい情報を・・・・・・ってあれ。そういえば当時「ここだけの話だけど」って言われてから、この話を聞いたような。いや、言われてないよね。もう書いちゃったし。過去にも書いたことあると思うし、大丈夫だよね。僕、怒られないよね。うん。
 
 
というわけで、もはや疑うどころの騒ぎじゃない。いままで聞いたことない規模の話に、ともかくこの話が事実なのか確かめたいのと、その和尚さんにとりあえず会いたいというのとで、話の終わる前から、僕の興奮はすでに宇宙へスプラッシュしていた。
 
 
一体、なにものなんだろう? 本当にそんな人が実在するのか? とりあえず会えば、実際に会えば、なにかが分かるはずだ。もし僕に縁があれば、きっとそれも・・・・・・
 
 
そして息を弾ませて、賢人にこう聞いた。 
  
 
「そそそ、その和尚様のおられるご住所を、この童貞めに教えてくださいいいいいいい!!!!!!」
 
 
次の日、僕は西へ向かった。
 
 
ーつづくー