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傘がガンガゼになった話

つれづれ

雨が降ってるなと傘をさして出かけたら、道途中で傘が「ボン」と音を立て大破し、一瞬にして、まるで鬼の子と呼ぶにふさわしい危険ゴミになった時の話でもしましょうか。
 
 
 
いや、ほんとに、いま話題の突然死とはこのことですよ。
 
 
もっといえば、ある日突然、離婚を切り出されるアレとでもいうか、それまで僕を気丈にして雨から守ってくれた傘が、まるで海の危険生物「ガンガゼ」もとい、一瞬にして「嘘でしょ」としか言いようがないモノに豹変してしまったわけですから。
 
 
一瞬にして「人類の言語領域を超越した“なにか”」に突然変異したわけですから。
 
 
 
もうね。本当にびっくりしました。
 
「よく知ってるモノ」が、突然「言葉にできないモノ」に化けると、人間の思考回路も停止しちゃうと、このとき始めて知りました。
 
 
そして、雨の中、壊れた傘を思考停止の状態で呆然と眺める僕は、誰がどう見ても「哀れ」の権化でした。ここまで哀れな人はなかなかいないレベルの哀れさというか、無力というか、ジャンガリアンハムスターより最弱でした。
 
 
 
もはや、なにも分からなくなりました。
 
ガンガゼのようになった傘を見つめながら、この世の全てが一瞬なにも分からなくなりました。
 
それは、生きてるとも死んでるとも言えない、なにか、ずっと包まれてた皮がつるっと剥かれたような。
 
皮を剥かれ、無垢で、弱い部分がつるっと露出して、もう一度全力の声をあげ泣き出したいようなそんな気になって・・・・・・
 
 
 
  
しかし、ふと我にかえり、人に見られてる自分に気付いて恥ずかしくなりました。
 
 
皮は一瞬にして閉じてしまいました。
 
また僕は、この分かりきった世界に、ただの壊れたビニール傘片手に戻ってきてしまいました。
 
 
 
そんなわけで、明けましておめでとうございました。
 
 
今年の抱負は、「全力で、ぎゃん泣き出来る自分になりたい」です。
 
みなさんにとっても、素敵な一年になりますように。